MENU

なぜパワハラは繰り返されるのか。心を守るために知ってほしい加害者と被害者の心理

パワハラは「人前」で行われることが多い理由

職場でパワハラを受けたとき、なぜか周囲に人がいる場面で行われることが多いと感じたこと、ありませんか?
それは偶然ではないんです。
パワハラをする人——善人の仮面をかぶったサディストたちは、「観客」がいることで、より相手を痛めつける快感を得ようとしているのです。

彼らは一見、正義感あふれる上司や頼りになる先輩を演じながら、内心では「苦しむあなた」を周囲に晒し、優越感を満たしています。
それは本当に、卑怯で悲しい行動なんですよね。

あなたがどんなに努力しても、どんなに頑張っても、彼らはその苦しみを「蜜の味」として楽しんでしまう。
そう思うと、とてもやりきれない気持ちになりますよね。

でも、どうか自分を責めないでください。
それは、あなたが弱いからでも、劣っているからでもありません。
相手の心の問題なのです。

パワハラ加害者は、子どもの頃の傷を癒そうとしている

社会学者たちは、パワハラをする人たちについて、こんなふうに説明しています。
彼らは、子どもの頃に深い抑圧や屈辱を経験し、そのときの悔しさや怒りを心の奥に押し込めて生きてきたのです。

そして大人になった今、立場が弱い相手に対して、無意識に積年の恨みを晴らそうとします。
つまり、パワハラをすることで、自分の過去の心の傷を癒そうとしているんですね。

これは決して許されることではありませんが、彼ら自身もまた、どこかで壊れてしまった人たちなのだとも言えます。
とはいえ、あなたがその犠牲になる必要は、絶対にないのですよ。

パワハラ加害者は、自分の未解決な感情を他人にぶつけることでしか生きられない、不器用で孤独な存在なのです。

パワハラされやすい人の特徴とは?

では、パワハラされる側には、何か問題があるのでしょうか?
もちろん、パワハラを受けること自体にあなたの責任はありません。
ですが、社会学ではこんな興味深い指摘もされています。

それは、
「弱さはずるさに鈍感であり、ずるさは弱さに敏感である」
という言葉です。

つまり、パワハラをされる側の「優しさ」や「純粋さ」が、加害者の「ずるさ」を見抜けず、結果的に標的になってしまうということなのです。
逆に、パワハラをする側は、自分の不満を安全にぶつけられる「優しい相手」を見つける能力に長けているのです。

あなたが苦しんでいるのは、優しさや人を信じたい気持ちがあるから。
それは決して悪いことではありません。
だけど、その優しさを利用しようとする人たちがいることも、知っておく必要があるんですね。

心を守るために知っておいてほしいこと

もしあなたが、今まさにパワハラに苦しんでいるなら、まず自分の感情を否定しないでください。
「私が弱いからだ」なんて思わなくていいんです。
あなたは悪くない。
むしろ、あなたは「ずるさに鈍感なほどに」まっすぐで、信頼に足る人なのです。

だからこそ、自分を守るために、少し「敏感になる」ことも覚えていきましょう。
誰かがあなたを一方的に傷つけるとき、それはあなたのせいではなく、相手の心の闇によるものだと気づくこと。

そして、必要なら距離を取る勇気を持つこと。
自分を守る行動を選ぶことに、後ろめたさを感じなくていいんですよ。

まとめ:あなたには、傷つけられる理由なんてない

パワハラをする人たちの心の闇、そしてパワハラされやすい人たちの優しさ——それらを知ることで、少しでもあなたの心が軽くなればと願っています。

あなたは、決して傷つけられていい存在ではありません。
どんな過去があろうと、どんな環境にあろうと、あなたには尊重される権利があります。

どうか、自分の心を一番に守ってくださいね。
そして、あなたが本当に安心できる場所を、少しずつでも探していけますように。

あなたの優しさが、どうか誰かに踏みにじられることなく、大切に育まれていきますように。
心から、そう願っています。

パワハラ依存症

パワハラ依存症 (PHP新書)

パワハラは「観客のいる前」で行なわれる。善人を装ったサディストは、苦しむ部下を見るのが快感なのだ。
社会学者がパワハラをやめられない人、いつもパワハラされる人を解説する。

パワハラをする人は、子供の頃に抑圧されて悔しかった思いを、大人になって弱い立場の相手にぶつけている。
本人も気づいていないうちに、積年の恨みを晴らし、心の傷を癒しているのだ。人生に行き詰まり、攻撃する以外に生きていけない人なのである。では、パワハラされるほうは問題ないのか。
「弱さはずるさに鈍感であり、ずるさは弱さに敏感である」と言われる。つまり、パワハラをされる弱い人は、いい人か、いい人を装うサディストかを見分けられず、パワハラをする人は、長年抱える不満をぶつけられる相手を見つけるのに長けている。だから、うまくパワハラが成立してしまうというわけだ。本書では、さらに彼らの精神構造を深く考察する。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

女性専用のセラピストとして、多くの方のお話をお聞きしています。
女性が直面する多くの問題――例えば、キャリア、家庭生活、恋愛、夫婦関係、自己肯定感に関する悩み――に焦点を当てたセラピーをしています。

コメント

コメントする