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「こんなに話が通じないなんて…」価値観の違いに悩む夫婦関係——分かり合えない苦しさの中で見つけたい“心の折り合い”

一緒に暮らしていくうちに、ふと気づく「こんなに考え方が違うんだ」という感覚。
結婚してはじめて見えてくる、パートナーとの価値観の違いに、戸惑いや苛立ち、そしてどこか寂しさを感じている方も多いのではないでしょうか。

生活のリズム、お金の使い方、子育ての方針、休日の過ごし方まで——日々の暮らしのなかには、無数の「選択」があります。
そのひとつひとつに対して、「えっ、なんでそう考えるの?」「普通こうじゃない?」と感じるたび、すれ違いや衝突が起きてしまうこともありますよね。

「もっと話し合いたい」「お互いを理解し合いたい」そう思っているのに、会話を重ねるほどに気持ちがかみ合わなくなっていく。
「私が間違っているのかな」「もう何を言っても無駄なのかも…」と、自信をなくしてしまうこともあるかもしれません。

でも、そもそも育ってきた環境や、親から受けた価値観、人生経験が違うふたりが、「すべての考え方を一致させる」なんて、実はとても難しいことなんですよね。
だからこそ、価値観が合わないと感じるのは、夫婦として“失敗”したのではなく、「当たり前の壁」にぶつかっているだけなのです。

とはいえ、やっぱり心はつらくなってしまいますよね。
たとえば、ひとりは「節約重視」、もうひとりは「お金は使ってこそ価値がある」と考える。
子育てにおいても、「厳しくしつけるべき」と「子ども主体で見守りたい」など、正解がないテーマだからこそ、話が平行線になってしまう。

そんなとき、相手を説得しようとするばかりだと、ますます対立が深くなってしまいます。
「どうして分かってくれないの?」という思いが、「あなたは間違っている」と伝わってしまい、お互いに心を閉ざしてしまうこともあるのです。

だからこそ、「価値観が違う=一緒にいられない」と決めつける前に、一度立ち止まってみてほしいのです。
違いを埋めるのではなく、「違うままでも、お互いが無理をしすぎない方法はないか?」と考えてみることも、大切な視点かもしれません。

たとえば、「子育てについては、基本は私のやり方で、迷ったときは一緒に相談する」「お金の使い方は、お互いの自由枠を決めて管理する」など、小さなルールをふたりで作っていくことで、少しずつ“心の折り合い”が見つかっていくこともあるのです。

また、意見がぶつかるときは、つい感情的になってしまいますよね。
でも、怒りの奥にある「寂しさ」や「不安」に目を向けてみると、自然と伝え方もやわらかくなっていきます。
「どうして分かってくれないの?」ではなく、「私はこう感じて、ちょっと苦しいんだ」という言葉に変えてみるだけで、相手の受け取り方も変わることがあります。

そして、何より大切なのは、自分の価値観を否定しないこと。
「わかってもらえない自分」が悪いのではなく、「違う考えを持っているふたり」が今、ぶつかっているだけなのです。

理解し合えない部分があっても、歩み寄ろうとする姿勢は、きっと夫婦関係を深めていく力になります。
その一歩一歩が、これからのふたりの「かたち」を作っていくのですから。

あなたがいま、感じている苦しさは、関係を大切にしたいという気持ちのあらわれです。
だからこそ、その優しさやまっすぐな思いを、どうか自分で否定しないであげてくださいね。

「話が通じない」と感じるときこそ、ゆっくりと、自分の心の声に耳を傾けて。
無理に変えようとしなくてもいいんです。
そのままのあなたで、できるところから少しずつ、心の距離を整えていけますように。

夫婦関係に悩んだら、読んでおきたい本

夫婦という病

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夫との暮らしが限界だと感じている妻にも、妻の拒否やイライラに苦しむ夫にも。
長年「家族」を見つめてきた精神科医が最前線の治療現場から贈る、結婚を人生の墓場にしないための傷んだ愛の処方箋。

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夫のトリセツ

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男は定年、女性は更年期。環境と体の変化にともなって、夫婦の間に訪れる愛情崩壊の危機。中には熟年離婚などの悲劇を招くケースもある。診療内科医として、長年男と女の心をみつめてきた名医が、人生の後半戦を、幸せに生きる方法をレクチャーする。

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この記事を書いた人

女性専用のセラピストとして、多くの方のお話をお聞きしています。
女性が直面する多くの問題――例えば、キャリア、家庭生活、恋愛、夫婦関係、自己肯定感に関する悩み――に焦点を当てたセラピーをしています。

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