
はじめに:誰にも言えない“見えない壁”の苦しさ
職場で努力を重ね、実績を積んでも、なぜか昇進や評価が遅れてしまう——そんな経験はありませんか?
「どうして私は選ばれなかったんだろう」「あの人はすぐに役職がついたのに」……。
その理由が、自分が“女性だから”ということに気づいたとき、胸が締めつけられるような苦しさと、言いようのない孤独を感じたのではないでしょうか。
誰にも言えずに心の中で葛藤しているあなたに、今日は少しだけ心が軽くなるようなお話をしたいと思います。
決してあなたが足りなかったのではないこと、そしてあなたの価値は変わらないことを、一緒に見つめ直していきましょう。
キャリアの停滞に直面したとき、まず自分を責めないでください
昇進や昇格が思うように進まないと、自分の努力が足りなかったのではと、無意識に自分を責めてしまうことがありますよね。
でも、それは本当に「あなたのせい」なのでしょうか。
現代社会でも、女性がキャリアアップを目指す道には、まだまだ無意識のバイアスや、性別による固定観念が根強く残っている現実があります。
「女性はサポート役に向いている」「家庭と両立できる範囲で働いてもらえばいい」そんな言葉が、表には出なくても根底にある組織も少なくありません。
あなたが感じているキャリアの停滞は、個人の問題ではなく、社会全体の構造の問題でもあるのです。
だからこそ、自分を責めないでください。あなたは充分すぎるほど頑張っているのですから。
「何のために頑張ってきたの?」という虚しさとどう向き合うか
毎日一生懸命に仕事に取り組んできたのに、報われないと感じる瞬間は、心を深く傷つけますよね。
昇進の候補から外されたとき、後輩が先に昇格したとき、「自分の努力は意味がなかったのかな」と虚しくなってしまうのは、とても自然なことです。
でも、その努力は決して無意味ではありません。
あなたが頑張ってきた過程は、確実に周囲に影響を与えてきています。
目には見えなくても、同僚や後輩があなたの働き方に勇気をもらったこともあったでしょうし、あなたの存在そのものがチームに安心感を与えていたこともあるはずです。
たとえ組織がそれを正しく評価していなかったとしても、あなたの価値は、あなたの中に確かにあります。
その価値を、自分自身で見つめ直してあげてくださいね。
キャリアの悩みを話せる相手がいないときはどうすればいい?
「こんなこと、誰に話せばいいのかわからない」と感じている方も多いかもしれませんね。
職場の同僚には話しづらいし、家族や友人にも「贅沢な悩み」と思われそうで、言葉を飲み込んでしまう。
そんなときは、まず自分の気持ちを“言語化”してみてください。
ノートに書くのでも、スマートフォンのメモでも構いません。
「悔しい」「悲しい」「何が納得いかないのか」……その気持ちを自分で整理するだけでも、少しずつ心がほぐれていくのを感じられるかもしれません。
また、キャリア相談のプロや、女性のキャリア支援をしているNPOなどに相談してみるのもひとつの手です。
あなたの話に耳を傾け、理解しようとしてくれる人は、必ずどこかにいますよ。
自分のペースでキャリアを築くという選択肢もある
組織の中での昇進や昇格が全てではありません。
大切なのは、自分がどうありたいのか、自分の価値観とどう向き合っていくか、ということです。
もしかすると、別の働き方や、新しいスキルの習得、社外での活動などが、あなたのキャリアに新しい風を吹き込んでくれるかもしれません。
焦らず、周りと比べすぎず、「自分にとっての幸せなキャリアって何だろう?」と考えてみてください。
周囲に認められることよりも、自分自身が納得できる働き方を見つけることこそが、本当の意味でのキャリアアップにつながるのかもしれませんね。
おわりに:あなたは、ちゃんと頑張ってきた
女性というだけで正当に評価されない現実は、あってはならないことですし、その不条理に傷ついたあなたの気持ちは、誰よりも尊いものです。
それでも、今日まで頑張ってきたあなたを、まずは自分自身がねぎらってあげてくださいね。
あなたの努力は、あなた自身が一番知っています。
どうかそのことを忘れずに、これからもご自分の人生を大切に進んでいってください。
あなたにはその力がありますから。
キャリアを考えるときに読む本

現代日本の女性を取り巻くここ30年余の変化を見据え、仕事と出産・子育ての両立を阻む構造的実態、その問題の所在を明らかにする。
これまでさまざまな政策が実行されながらも、女性をとりまく、雇用慣行、賃金格差、正社員/非正社員間の壁、そして出産・育児・保育にまつわる困難は変わっていない。現代日本社会の30年余に及ぶ推移を丹念に追い、その十分な課題解決を阻む構造的実態を理論的かつ実証的に明らかにする。問題の所在を見定め、課題克服のための、具体的な方策を提言。

人生100年・生涯現役時代となった現在、50歳・60歳の時点で、その後の人生をどう送るか、計画をたて、行動していくことが求められています。中高年といわれる年代にとって、漠然と定年を迎えることがないよう、将来に向けての「人生を整える」ことが大切な時代になっているのです。本書は、そのためのノウハウ、知識が詰まった一冊です。
高齢期において日常生活をどう送り生涯生活計画をどう立てて行動するかを考えるための道筋、健康を維持するために大切な知識や運動、また公的年金をはじめとした社会保険についての知識など、各分野の高名な専門家による解説が1冊に凝縮されています。
定年後が気になる中高年の方はもちろん、企業におけるキャリア研修などでもぜひご活用いただきたい内容です。

◆ロールモデルが必ず見つかる
◆管理職としての喜びや悩み、学び、今後のキャリアプランから後輩へのメッセージまで
◆20社を取材し、女性リーダーのリアルな声を紹介
女性の活躍推進は待ったなしの状況ですが、企業からは、「女性はリーダーや管理職に挑戦する意欲が低い」「技術系の女性の採用や、営業職の女性の定着がむずかしく、女性活躍がなかなか進まない」といった共通の悩みが聞こえてきます。その一方で、当事者である女性たちからは、「育児と仕事を両立するだけで精一杯」「自分の会社にはロールモデルがいないのでキャリアを描きづらい」といった声も少なくありません。
そこで本書では、リーダーや管理職、役員として活躍している女性、土木・建築や理系分野でプロフェッショナルとしてとして活躍している女性など、業種も職種も年代もさまざまな女性20人へインタビューを実施し、「どんな学びや経験がキャリアに影響を与えたのか」「キャリア形成における、女性であることでの課題」「挫折し、悩みを抱えたときに、どう乗り越えてきたか」「時間管理やワークライフバランス実現の方法」などに加え、ライフキャリア上でターニングポイントになった出来事なども紹介します。

仕事、結婚、出産、子育て。あなたがやりたいことは何ですか? 欲しいものを手に入れて、自分らしく生きる。すべての女性にチャンスがあります。そのために必要な、ほんの少しの勇気と、考え方のコツを身につけましょう。3人の子育てと仕事を両立してきたキャリアコンサルタントが、女性のキャリアの作り方を教えます!
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