
過去の傷が今も心を締めつけるとき
「もう誰かと仲良くなるのが怖い」
そう感じてしまうのは、過去の人間関係で深く傷ついた経験があるからかもしれませんね。
信じていた友人に裏切られた、悪口を言われた、突然距離を置かれてしまった…。
あのときの言葉、表情、空気感が、今もふとした瞬間に蘇ってくることはありませんか?
その記憶がよみがえるたびに、「またあんな思いをするくらいなら、もう誰にも期待しないほうが楽かもしれない」と思ってしまう…。
でも、それだけあなたがまっすぐに人を信じて、大切にしてきた証なんです。
傷ついたのは、心を込めて向き合っていたからこそなんですよね。
「人が怖い」と感じてしまうのは、防衛本能です
友人関係で深く傷つくと、人との距離の取り方がわからなくなってしまうことがあります。
誰かに近づくことが怖くて、でも孤独もつらくて…。そんな矛盾の中で、心が疲れてしまうんです。
でも「もう人を信じられない」と感じるのは、あなたが弱いからではありません。
それは心が自分を守ろうとしている、自然な反応なんです。
信じて傷ついた経験があるからこそ、また同じことを繰り返さないように慎重になっているだけ。
無理に「人を信じよう」としなくていいんです。まずは、自分の心が安心できる距離感を大切にしてくださいね。
信頼は「すぐ築くもの」ではなく「少しずつ育てていくもの」
信頼関係は、短時間で築けるものではありません。
それは、毎日水をあげて育てる植物のように、少しずつ、少しずつ育てていくものなんです。
だからこそ、また誰かと向き合いたいと思えたときには、「完璧な人間関係」を求めすぎず、小さなやりとりから始めてみるのがいいかもしれません。
たとえば、挨拶を交わすだけの関係、ちょっとした会話を楽しむ関係でも十分なんです。
「この人とは、なんとなく安心できるな」そう感じられる瞬間があれば、それを大切にしてみてください。
過去に受けた傷は、完全に消えることはないかもしれません。
でも、新しい信頼を少しずつ積み重ねていけば、その痛みが心を支える「強さ」に変わっていくこともあるんです。
「人間不信の自分」を否定しなくていい
人間関係が怖い、信じることができない…。
そんなふうに感じてしまう自分を、「ダメだな」と責めてしまうこともありますよね。
でも、そんなあなたを否定する必要はまったくありません。
それだけ過去に一生懸命向き合って、心を込めて人と関わってきたという証なんです。
今は少しだけ休んでいるだけ。
無理に元のように人付き合いをしようとしなくてもいいんです。
「怖い」と思っている自分の気持ちを、まずはあなた自身が受け止めてあげてください。
「また人を信じたい」と思えたとき、それは回復のサイン
いつかふと、「あの人ともう少し話してみたいな」とか、「また誰かと笑い合いたいな」と思えるときが来るかもしれません。
それは、あなたの心が少しずつ癒えてきたサインなんです。
その気持ちが芽生えたら、どうかその芽をそっと育ててあげてください。
焦らず、無理せず、あなたのペースで大丈夫です。
誰かと心を通わせることは、怖いことでもあるけれど、やっぱりあたたかくて、力をくれるものでもあります。
そして、あなたにはそのやさしさを感じる権利があります。
あなたは、傷ついた分だけ優しくなれる人
過去のトラウマがあるからこそ、人の痛みに寄り添える優しさがあなたにはあります。
それは決して「弱さ」ではなく、とても大きな「強さ」なんです。
時間はかかっても大丈夫。
あなたの心が、「もう一度、誰かとつながりたい」と思える日が来るまで、ゆっくりと、自分を癒す時間を大切にしてくださいね。
そしてそのときは、どうか自分を誇りに思ってあげてください。
「ここまでよくがんばってきたね」と、自分にやさしく声をかけてあげてくださいね。
友人関係・対人関係に悩んだとき読む本

カップ麺メーカーで働く主人公・日比野のぞみが、異動先で人間関係に悩む。
息抜きに参加した料理教室でユウと知り合い、心理学を学ぶことに。
異動先の個性豊かな社員を始め、様々な人間と関係性を築いていく。

人間関係は、なければ寂しく、
あれば煩わしいものですね。
ときどき、ほどよい孤独を選んでみませんか?
——————————————————
93歳の現在も、日々診療に向き合う心療内科医の藤井英子医師。
現役で仕事を続けるなかで紡ぎ出される自然体の言葉が評判です。
日常の暮らしのなかで、心がすこし曇り空の日、雨降りの日など、
ふと立ち止まる日に心を軽くする言葉が満載です。

「人間関係がストレスで仕事に行きたくない・・」
「友人とどう接していいのか分からない・・」
「恋愛でも常に不安ばかりが募る・・」
あなたは、そんな日々に悩んでいませんか?
私もかつては、これらの悩みを抱える一人でした。
そんな私が、周囲から
「どうしてそんなに人間関係で悩まないの?」
「若いのに、そんなに距離感の取り方が上手い人を初めて見た!」
と言われるようになりました。
なぜならアドラー心理学を学び、人生が変わったからです。
コメント