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一日に何度も送ってしまうメッセージが、私の気持ちを育ててしまった

一日に何度も「ただいま」を送ってしまう――一度のデートで強くなった気持ちの正体。

いつからか、彼に気持ちをぶつけることが日常になっていました。

あの一度のデートのあと、私の生活は見た目には変わっていないのに、内側だけが大きく変わってしまいました。
それからの私は、自分の気持ちを彼にぶつけることが、日常になってしまったのです。
朝起きたら「おはよう」と送って、仕事に行く前には「行ってきます」。仕事の休憩時間にも、仕事が終わった時にも、夕食を作り終わった時にも、風呂に入る前、風呂から出てきた時、寝る前。
気づけば私は、一日に何度もメッセージを送っていました。
生活はいつも通りなのに、心の中だけは彼を中心に回っているようで、自分でも怖くなる瞬間があります。
私は今まで「会いたい」と強く思ったことがない人間でした。
だからこの変化が、嬉しい反面、少し異常に感じることもあります。

彼は、その全部に返信してくれて、私を否定しませんでした。

私が送るメッセージは、内容としては小さなものばかりです。
「今日は寒いね」「今、少し疲れた」「夕飯できた」「お風呂入ってくる~」――そんな報告の積み重ね。
それでも彼は、すべてに返信してくれます。
しかも、ただ返すのではなく、私の言葉を受け止めて、優しく返してくれるのです。
「頑張ったね!」「無理しないでね!」「美味しそうだね!」
その一言一言が、私の心に触れて、静かに落ち着かせてくれました。
私は、誰かに言葉を投げても、戻ってこないことに慣れてしまっていたのかもしれません。
夫に気持ちを伝えても、突き放されるか、笑われるか、逸らされるか。
だから私は、欲しい言葉を諦めてきました。
それなのに彼は、私の小さな言葉を、毎回“ちゃんと拾って”返してくれるのです。

一度しかデートしていないのに、気持ちが強くなる自分が怖いくらいです。

私たちは、まだ一度しかデートしていません。
それなのに、彼への気持ちはどんどん強くなっていきます。
メッセージの回数が増えるほど、私の心の中で彼の存在が大きくなるのを感じます。
“会えない時間”が、むしろ関係を濃くしていくような感覚です。
私はこれまで、「好き」という感情を持たないまま結婚して、家庭を回して、母になって、気づけば45歳になりました。
だから今、急に湧き上がってきたこの気持ちは、恋というより、長い欠乏があふれているのかもしれません。
優しくされること、受け止められること、否定されないこと。
それが当たり前にある世界を一度知ってしまうと、私は戻れなくなってしまいそうです。

彼を“知らない人”ではなかったことが、私を加速させているのだと思います。

それでも、私の気持ちがこうして強くなる理由に、心当たりがあります。
仕事場の美容院で、私は3年間も彼の髪を切りながら、彼と話し、彼の性格を知っていました。
月に一度という小さな積み重ねでも、3年分となると、軽く見られません。
好きな食べ物、苦手な話題、忙しい時の表情、余裕がある時の声のトーン。
お客様として接してきたはずなのに、私はいつの間にか、彼の“人となり”を体で覚えていたのだと思います。
だからデートをしたのが一度でも、「初めて会った人」とは違うのです。
私はすでに、信頼の土台のようなものを握ってしまっていました。
その土台の上に、優しいメッセージが毎日積み重なるのですから、心が強く傾いてしまうのは、当然なのかもしれません。

でも私は、彼の優しさに溺れないように、自分に問いかけています。

私は彼の返信が嬉しくて、救われて、息ができるようになります。
その一方で、怖さもあります。
彼がいないと落ち着かない自分になってしまったらどうしよう。
彼の反応ひとつで一日が揺れるようになってしまったらどうしよう。
私は恋愛経験が少ないぶん、加減を知らないのだと思います。
だから私は、自分に問いかけています。
今、私が欲しいのは「彼」なのか、それとも「受け止められる感覚」なのか。
もし後者なら、彼だけに預けてはいけないのかもしれません。
自分の心を守るためにも、私は私の足で立っていたいのです。

それでも、今日も私は彼にメッセージを送ってしまいます。

朝の「おはよう」から始まり、夜の「おやすみ」まで。
私は今日も彼にメッセージを送ってしまいます。
そして彼は、きっとまた優しく返してくれるでしょう。
そのやり取りだけで、私は「大丈夫」と思えてしまう。
それが嬉しくて、同時に切なくて、私は自分の気持ちの行き先を静かに見つめています。
家庭も仕事も、私の現実は変わりません。
でも、私の心は確かに変わりました。
この変化を、罪悪感だけで潰さずに、私が私を大切にする方向へつなげられるように、私は今の自分を丁寧に抱きしめていきたいです。


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